生理痛の症状
ご相談の多い症状、お悩み
生理時には
- 下腹部痛
- 腰痛
- 頭痛
といった不快症状のほか、
- 下痢や吐き気の症状
- 貧血症状(顔色が悪くなる、クラクラとめまいが起きる)
など、辛い症状に悩まされます。
日常生活に支障をきたす前に、早めに受診するようにしましょう。
女性のライフステージと生理痛
年齢を重ねるとともに、女性ホルモンの分泌量は変化し、子宮も成熟していきます。そのため、生理痛の原因も年齢と共に変化していきます。
ライフステージによる生理痛の変化と特徴を理解し、ご自身の体と向き合っていきましょう。
思春期の生理痛
思春期に入る10代は、まだ子宮の発育が未熟です。そのため、子宮の出口が狭く、生理のとき(経血がでるとき)に圧力がかかって痛みが出やすいことがあります。
また、自分の体の変化に慣れていないこの時期は、生理に対する不安な気持ちも大きくなります。その不安感が痛みを誘発してしまうこともあります。
痛みが強い場合や不安感が強い方は、早めにご相談ください。
大人の生理痛
成人して30代に差し掛かる頃には、子宮や卵巣は成熟期に入ります。女性の体は、妊娠や出産に備えた状態になります。
また、社会人として働き始めたり、中には経験を重ねていく中で社会的な責任が大きくなっていく方も多くなる年代です。その環境下の中で、ストレスを感じることも多くなり、忙しさのあまり食生活などの生活習慣も乱れがちになります。知らず知らずのうちに、心身に負担がかかりやすくなってしまうのです。そのような負担によって、生理痛が悪化することが多いため、注意が必要です。
婦人科系疾患も出やすくなる年代でもありますので、定期的な婦人科検診は欠かさず受けるように心がけましょう。
産後の生理痛
産後は育児を経験しながら、社会復帰をされる方も増えています。「妊娠・出産・育児」という環境変化が心身的なストレスとなり、生理痛が強くなってしまうこともありますので注意が必要です。
自分の体は後回しにして、お子さんや家族のことを優先しがちな方も多いですが、家族のためにしっかりと自分の体を労る時間を作ることも大切です。
異変を感じたらそのままにせず、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
更年期の生理痛
閉経が終わる前後10年程度の期間を、「更年期」といいます。
40代に差し掛かかった頃から、これまでのような生理との違いを感じることが多くなります。生理の周期が乱れ、長くなったり、ひと月経っても生理が来ないという場合も増えていきます。
更年期は、心身ともに様々な症状(更年期障害)が出やすい時期でもあります。日々の健康管理にはこれまで以上に気を配りましょう。
生理痛に限らず、気になる症状があれば必ず婦人科を受診してください。
月経困難症
日常生活に支障をきたすほどの辛い症状
単なる生理痛と違い、痛みが強く日常生活が困難になるほどに支障をきたしている心身的な病態を「月経困難症」といいます。
生理痛・月経困難症の原因
生理は、子宮が成熟するうえで不要となった子宮内膜が、血液とともに排出される現象です。この時、子宮の筋肉はホルモンの作用によって収縮し、子宮口から経血を押し出そうとします。この収縮が過剰に起こってしまうと、陣痛のような痛みが起こります。これが生理痛です。
ホルモンの作用が要因となる他、思春期に多い子宮の未発達や精神的な影響によって生じる生理痛を「機能性月経困難症」といいます。
器質性月経困難症
「器質」とは臓器や器官に認められる構造的な性質を意味します。つまり、子宮そのものになんらかの弊害が起こり、痛みが強くなっていることが想定されます。痛みが長期に渡って続いている方、生理を終えてもなかなか痛みが治らないという方は注意が必要です。
器質性月経困難症を引き起こす三大疾患として、以下の病気があげられます。
- 子宮内膜症
- 子宮筋腫
- 子宮腺筋症
これらの病気は下記のページをご覧ください。
月経前症候群/PMS
生理前に表れる、心と体の症状
生理が始まる1週間ほど前に、心と体にさまざなな症状がでることがあります。
心の症状
- イライラすることが多くなる
- 憂鬱で何もやる気がでない
- 情緒不安定になる
- なかなか眠れない、または、いくら寝ても寝足りない
体の症状
- 下腹部が痛い
- お腹が張る
- 乳房に痛みを感じる
- お肌が荒れやすい
- むくみやすい
- 肩こり、頭痛やめまいの症状がでる
- 腰痛の症状がでる
など
以上のような生理前に起こる特有の症状を月経前症候群(PMS:Premenstrual Syndrome)といいます。
いずれも症状に個人差はありますが、大半の方は、生理が始まると同時に症状は軽くなっていくという特徴があります。軽度の症状でさほど気にされない方もいらっしゃいますが、中には日常生活に支障をきたすほど重度の症状に悩まされる方もいらっしゃいます。
気になる症状が続いている方は、早めにご相談ください。
月経前症候群の治療
ホルモン療法
女性ホルモン「エストロゲン」を補う療法です。
月経前症候群のほか、女性ホルモン不足が不調の引き金となるすべての疾患で効果が期待できます。
漢方薬療法
月経前症候群をはじめ、原因となる病気がない「不定愁訴」にお悩みの方には漢方療法も推奨されます。
ホルモン療法と比べても副作用が出にくいというメリットがありますので、患者さんの症状や体質に合わせて検討していきます。