低用量ピル(Oral Contraceptives：OC)

卵胞ホルモン（エストロゲン）と黄体ホルモン（プロゲストーゲン）が含まれている女性ホルモン剤です。

ピルを服用すると女性ホルモンレベルを低い状態で安定させることができ、排卵を止めることができます。

メリット

• 女性主体の避妊で、もっとも高い避妊効果が期待できます。
• 服用を中断すれば、妊娠が可能です。
• 生理痛の軽減、生理の量の改善が期待できます。
• 生理不順が改善します。
• 貧血やニキビの改善が期待できます。

デメリット

• １日１錠、毎日服用が必要です。
• 血栓症のリスクが、少しだけ上がります。
• 吐き気、頭痛、むくみ、少量の出血などの症状が起こる場合もあります。

ピルを飲み始めてから１〜３ヶ月の間は、何らかの症状が懸念されます。３ヶ月程度飲み続けると、体が慣れて症状は次第に治ります。

ふくらはぎの痛み・むくみ、突然の息切れ、激しい胸の痛みや頭痛、視覚障害など、これらの症状があらわれた方はすぐに受診してください。

アフターピル（モーニングアフターピル）

性行為後、72時間以内に１錠を服用することで、妊娠を阻止することができる避妊薬です。医師の処方せんが必要です。

• 避妊をしなかった。
• 経口避妊薬を飲み忘れた。
• 避妊をしたが、不十分だった。（コンドームの破損・脱落など）
• 男性が避妊してくれなかった。

など

望まない妊娠をしてしたかもしれないと不安を抱えて次の生理を待つよりも、すぐにアフターピルを服用したほうが、心身の負担を軽減できます。服用の目安は性行為から72時間以内ですが、より早く服用した方が避妊効果は高まる傾向にあります。

望まない妊娠を防ぐ手段として使用できますが、その効果は100％ではありません。また、服用後の性行為に避妊効果はがありません。継続的な避妊には、経口避妊薬の服用がおすすめです。

副作用

アフターピルの副作用はほとんどありませんが、まれに吐き気や頭痛、出血と軽微な症状が出る場合もあります。

※ 授乳中の患者さんは、服用後24時間は授乳を控えてください。薬が母乳に移行する可能性があります。

ミレーナ

ミレーナとは、子宮内膜の増殖を抑えるホルモンを放出する合成樹脂でできた器具です。避妊リングとも呼ばれます。子宮口から子宮内に入れることで、ピルと同様の避妊効果が期待できます。ミレーナを避妊目的で使用する場合は、保険適用外となります。

※ ミレーナは過多月経や月経困難症などの治療にも使用されます。（保険適用）

メリット

• 装着すれば、毎日、避妊を気にする必要はありません。
• 一度装着すると、長期の避妊（およそ５年）が可能です。
• 装着をやめれば、妊娠もできます。
• 低用量ピル（OC）よりも、年単位のコストは安価です。
• 生理の量が減り、生理痛も軽減します。

デメリット

• 装着後は、数か月間、不正出血がみられます。
• 医師による装着・除去が必要です。
• 装着後は、１か月・３か月・６か月・１年を目安に、定期検診が必要です。
• 挿入時に、子宮頸管拡張が必要な場合もあります。（出産経験がない方）